悪しき暗闇に光を施す

曲作ったりゲームしたり曲作ったり

*

魔王の討伐-Quest of Righteousness-

まおうのとうばつ
魔王の討伐-Quest of Righteousness-
作詞:光施 作曲:光施 歌唱:GUMI

――――――――――
【ルビ表示無し(歌詞転載可)】

覚醒した記憶が廻る
失われた能力を解き放て

降り注ぐ陽射しが
暖かくてこんな日々が
ずっと続くものだと思っていた

空を覆う黒雲
未来を踏み躙る悪を
今、信じた希望を糧に
全てを消し去ってやる

覚醒した記憶が廻る
失われた能力を解き放て
永遠に紡がれて行く世界に
終止符は打たせない

手にした剣を掲げ
奮え秘められし刃の一閃
永遠に繋がる君との絆
断ち斬らせはしない
遥か昔、世界を闇に包んだ魔王は
勇者達によって葬られた
しかし、時を経て、蘇った魔王は
再び、世界を闇に包もうとしていた…
今、目の前にいるのは、国の超偉い方
魔王による現状を知らされている
どうやら、魔王を一度葬った剣がどこかにあるらしい
それを取って、今度こそ魔王を確実に
倒してほしいらしい…っていうか、
そんな有事を一人の人間に託すより
国を挙げて軍隊でも作った方が
早いんじゃないかなんて
これっぽちも思っていない

「…では、魔王を倒してくれるか?」

はい
いいえ

「(…これってもし「いいえ」を選んだらどうなるのだろう?)」

はい
⇒いいえ

「反逆罪で死刑」
「え?」
今、目の前に(以下省略)

「…では、魔王を倒してくれるか?」

⇒はい
いいえ

「よくぞ言ってくれた新たな勇者よ!」
「(いやいやいやいや!拒否したらあんた死刑言いますやん!)」

「…さっさと行こ」

そんなこんなであの門を抜けたら
そこは新領域
未知の世界
準備万端?
仲間はいない…
世界の危機に怖じ気付いたのか?
何はともあれ世界救済の旅が始まる!
手付かずに広がる草原
今までに無い感情が湧く
この先に何が待ち受けていても
突き進むだけさ
まだ未熟な力だけど
力を借りる味方もいないけれど…
でも今ならやれる!
恐いものなんて無い!
さぁ、なんでもかんでも
出てきやがれ………

出たあああああ!!!
大丈夫だ落ち着けこいつは単なる雑魚
大した経験値も貰えない時間泥棒
でも今はまだ序盤だから
貰える物は貰わないと損
この先の村で何か合成する為の
素材を落とすかもしれない
斬り裂け!斬り裂け!斬り裂け!
斬り裂け!斬り裂け!支給された鈍な剣で
そして止めの一撃!
「何も落とさない…」
新たに着いた村で魔王討伐に向けた
何か情報が掴めるといいんだけど
とりあえず第一村人に聞いてみよう

「お前誰やねん」
「そりゃそうだ」

特に手掛かりも無く
特に事件らしきも無い
物資だけ補給して次に行こう
勿論!他人の家を物色してから
さて、村を出て次の大きめの町を目指す途中
突然、歩いていたら目の前が真っ暗になった
これ、たぶん、本来なら出ないはずの
ちょっと厄介な魔物が出たり
或いは、川の氾濫とか、大木が倒れてて
先に進めない事案だろ?
後者でした

「他に道は無いんですか?」
「無いことは無いんだけど、人が通る為には作られてないからねぇ…」

でもこれは急ぎの旅路
道を教えてもらい
その場所に来た
鬱蒼とした獣道
今まで何人か帰って来ないらしい
殺伐とした中に木々の音
いつ魔物に襲われるか分からない
さっさと抜けてしまおう
あ、でもちょっと待てよ?
こういう場所には何か有能な
武器が見つかるかもしれない
そう本で読んだから少し詳しく見てみよう
『大丈夫。』って書いてあったから

「う~ん…何もないなぁ…。回復薬はあったけど、
こんなところに落ちてたのって大丈夫なのかなぁ?
………あ、あそこに何か…!?」
油断した、ここは魔物の巣窟
帰らない人達がやられた原因か?
体勢を立て直さなければ
また一人、被害者になるだけ
そうこうする間に魔物は増えるだけ
逃げる動作も出来ないまま
まんまと命を削るのか…
残機なんて概念は無い!

「やばっ…!」

「あ…」
「大丈夫か!?早く立て!」

現れた恩人と息を合わせて
振り抜く二つの刃は
魔物を一匹足りとも
逃しはしなかった
「ここは一人で来るような場所じゃないぞ。…ま、人の事は言えんがな」

言葉一つ一つが
胸にぐさぐさと突き刺さる
助けがなかったのなら
今頃、屍の仲間入り

「こんなとこ、さっさと抜けるぞ」
「え?付いてきてくれるの?」
「お前が付いてくるんだよ」
「(ですよねー)」

襲い掛かる魔物を蹴散らして
もうそろそろ出口に近付いてきた…けど
「…!御出座しだ」
「…なんか、強そうなんだけど…」
「本来の目的はこいつだ。やるぞ!」
「えっ?あ、うん!」
「(突然出てきたから記憶を書いてないんだけど…)」
目の前を遮るのは今までと違う巨体
並大抵の攻撃は跳ね返されるのが明白
ずっと後ろで甘んじて
一歩が踏み出せない
それは恐怖からではなく
攻め時が見つけられないから

「体勢が崩れた!今だ!」

その声に導かれて無意識に踏み込んで
突き出した剣は疾風のように急所を貫く
「やれば出来んじゃねぇか」
「まぁ、これぐらいは。(たまたまだけど)」
「魔物退治の報告に行くが、お前はどうする?」
「んー、とりあえず付いて行こうかな」

城下町とはまた違う活気に溢れた町で
後で武器やら薬も買い貯めておかなければ
着いたのは少し趣の違う大きな建物
ここでなら何か魔王に関する事が分かるかも
「…以上だ」
「ご苦労様。さて、君はどうしたのかな?」
「あ、魔王を倒す旅をしてるんですけど…」
「は?」
「あぁ、話は国王から聞いてるよ。魔王は大海原の真ん中にある小さな島にいる」

魔王の居る島に行くには
島を護る障壁を消す必要がある
それを消す為に各地にある四つの
封印を解かなければならない

「手伝ってやるよ」
「本当に!?」
「お前一人じゃ不安だからな」
「(何か腑に落ちないけどいいや)」

打ち合わせた甲高い金属音が
まるで祝福の鐘のように鳴り響く
やるべきことは分かった
あとは踏み出すだけ
「ここから割愛っ!」
国王に魔王退治の目処が付いたことを
伝え封印の場所の調査を依頼した
見つかり次第そこに向かい刃を交え
四天王だとかほざいている奴等を倒し続けた

そうこうしている間に空の民に任せた
島接近時の乱気流に耐えられる船の製作が終わった

いざ大海原…ではなくその上空を飛び
技術が結束した船は気流なんて関係ない!
魔王との戦いの前に準備をしに
一番近い町に降り立った
明日に備え宿に泊まって
早めに布団に潜った

「ん…、あれ?寝てたはずなんだけど…」
「私の声が聞こえますか?」
「え?」
「魔王を倒そうとしているようですが…」
「(こ、これは、前世の記憶とか、選ばれたものにしか聞こえない精霊の声とか!?
もしかしたら魔王の弱点とか攻撃方法とか教えてくれるかも!?)」
「何か忘れてない?」
「え?」
「あなた、国王との話を聞いてた?」
「え…」
「自分で怠そうに何て言ったの?」

「……どうやら、魔王を一度葬った剣が…」
「…葬った剣…」

「あっ!」
「…早よ取ってこい」
翌朝、相方にねちねち言われながら
調査によって見つかった剣を取ろうとしたら
それを護る龍にやられかけたけど
全ての準備は整った
立派な門構えを抜け
目指すは最深部
何が待ち受けているか分からない
慎重かつ大胆に進もう
石を押したり、機械を操作したり
守護兵器をぶっ壊したり
そしてたどり着いたのは
何もない広場

「あれは…!」
「四天王っ!?」
剣を持つ者、槍を持つ者
矢を放つ者、術を放つ者
剣・槍を退け、矢を避けて
一直線に魔術師の元へ
唱えられる前に斬り裂いて
回復持ちをまず消して
遠距離からチクチクと甚振ってくる
弓使いを返り討ちに
剣・槍使いはそれぞれ
一人ずつ相手をして

「奥義!氷牙刺凍刃!」

まさに氷が牙を剥くように
敵に噛み付かんとばかりに刺す

「雷光の一閃!紫雷放翔斬!」

雷を纏った刃を振り抜けば
敵を稲妻が貫いて散る

甦った魂は再び鎮められた
「はっはっはっ…」
「誰だ!?」
「私が世界を支配する魔王だ」
「魔王!?絶対に倒してやる…!」
「止めておけ。お前達に私は倒せない。
大人しく、私の粛清によって正される新世界を眺めているがいい」
「黙れ。…こいつをさっさとぶっ倒して帰るぞ」
「魔王!お前の好きにはやらせない!」
「来るか…。私の前で平伏すがいい!」
この世の未来を示す戦い
再度集中力を高める
この後の事を考える暇は無い
目の前の障壁を崩して駆けろ

詠唱する時間も無く
差し迫る闇の呪文
避けるのに精一杯で
一瞬の動きを見つめ
着実に近付く
抜いた剣は行方を占う
神託を受けし光

振り翳せ!今、自分を信じて
重ねた想い、貫く意志
世界は見放したりしない
纏え、絆を

降り下ろせ!今、全てを信じて
掲げた刃、斬り裂く悪
世界の望む形にしてみせる
輝きを失うまでは…

「止めっ!」「止めだ!」
「馬鹿な…っ!私が人間ごときに…!!」

「終わった…」
忘れていた雲の切れ目から射す陽光
暖かさなんて何時振りなんだろう

手に残る感触が
あの日の出来事を思い出させる
それぞれが進む道を
見据え目指した全ての終結の後

大空に舞う光を追い掛けて
願う希望が叶いますようにと
見上げて祈る最後は瞼を閉じて
未来永劫の彼方に

「…もう行くぞ」
「これからどうするの?」
「今までと変わらない。また魔物退治の頼まれごとをするだけだ。…お前こそどうすんだよ?」
「どうするのだろ…?まぁ、魔王を倒したことで、王様から一生遊んで暮らせるだけの物は貰ったけど」
「隠居か?」
「いや、これは皆がもっと幸せに暮らせるような世界を作る為に使う。
あの王様に任せるのは、ちょっと頼りない」
「…もう王になれよ。」
「あれって立候補制?」
「違う。だから最悪討て」
「いやいやいや、それは駄目だって… 」

大空に舞う光を追い掛けて
願う希望が叶いますようにと
見上げて祈る最後は瞼を閉じて
未来永劫の彼方に―――

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【ルビ表示有り(歌詞転載不可)】

覚醒した記憶が廻る
失われた能力(ちから)を解き放て

降り注ぐ陽射しが
暖かくてこんな日々が
ずっと続くものだと思っていた

空を覆う黒雲
未来を踏み躙る悪を
今、信じた希望を糧に
全てを消し去ってやる

覚醒した記憶が廻る
失われた能力(ちから)を解き放て
永遠に紡がれて行く世界に
終止符は打たせない

手にした剣を掲げ
奮え秘められし刃の一閃
永遠に繋がる君との絆
断ち斬らせはしない
遥か昔、世界を闇に包んだ魔王は
勇者達によって葬られた
しかし、時を経て、蘇った魔王は
再び、世界を闇に包もうとしていた…
今、目の前にいるのは、国の超偉い方
魔王による現状を知らされている
どうやら、魔王を一度葬った剣がどこかにあるらしい
それを取って、今度こそ魔王を確実に
倒してほしいらしい…っていうか、
そんな有事を一人の人間に託すより
国を挙げて軍隊でも作った方が
早いんじゃないかなんて
これっぽちも思っていない

「…では、魔王を倒してくれるか?」

はい
いいえ

「(…これってもし「いいえ」を選んだらどうなるのだろう?)」

はい
⇒いいえ

「反逆罪で死刑」
「え?」
今、目の前に(以下省略)

「…では、魔王を倒してくれるか?」

⇒はい
いいえ

「よくぞ言ってくれた新たな勇者よ!」
「(いやいやいやいや!拒否したらあんた死刑言いますやん!)」

「…さっさと行こ」

そんなこんなであの門を抜けたら
そこは新領域
未知の世界
準備万端?
仲間はいない…
世界の危機に怖じ気付いたのか?
何はともあれ世界救済の旅が始まる!
手付かずに広がる草原
今までに無い感情が湧く
この先に何が待ち受けていても
突き進むだけさ
まだ未熟な力だけど
力を借りる味方もいないけれど…
でも今ならやれる!
恐いものなんて無い!
さぁ、なんでもかんでも
出てきやがれ………

出たあああああ!!!
大丈夫だ落ち着けこいつは単なる雑魚
大した経験値も貰えない時間泥棒
でも今はまだ序盤だから
貰える物は貰わないと損
この先の村で何か合成する為の
素材を落とすかもしれない
斬り裂け!斬り裂け!斬り裂け!
斬り裂け!斬り裂け!支給された鈍な剣で
そして止めの一撃!
「何も落とさない…」
新たに着いた村で魔王討伐に向けた
何か情報が掴めるといいんだけど
とりあえず第一村人に聞いてみよう

「お前誰やねん」
「そりゃそうだ」

特に手掛かりも無く
特に事件らしきも無い
物資だけ補給して次に行こう
勿論!他人の家(ひとんち)を物色してから
さて、村を出て次の大きめの町を目指す途中
突然、歩いていたら目の前が真っ暗になった
これ、たぶん、本来なら出ないはずの
ちょっと厄介な魔物(やつ)が出たり
或いは、川の氾濫とか、大木が倒れてて
先に進めない事案(やつ)だろ?
後者でした

「他に道は無いんですか?」
「無いことは無いんだけど、人が通る為には作られてないからねぇ…」

でもこれは急ぎの旅路
道を教えてもらい
その場所に来た
鬱蒼とした獣道
今まで何人か帰って来ないらしい
殺伐とした中に木々の音
いつ魔物(やつら)に襲われるか分からない
さっさと抜けてしまおう
あ、でもちょっと待てよ?
こういう場所には何か有能な
武器が見つかるかもしれない
そう本で読んだから少し詳しく見てみよう
『大丈夫。』って書いてあったから

「う~ん…何もないなぁ…。回復薬はあったけど、
こんなところに落ちてたのって大丈夫なのかなぁ?
………あ、あそこに何か…!?」
油断した、ここは魔物(やつら)の巣窟
帰らない人達がやられた原因か?
体勢を立て直さなければ
また一人、被害者になるだけ
そうこうする間に魔物(やつら)は増えるだけ
逃げる動作も出来ないまま
まんまと命を削るのか…
残機なんて概念は無い!

「やばっ…!」

「あ…」
「大丈夫か!?早く立て!」

現れた恩人と息を合わせて
振り抜く二つの刃は
魔物(やつら)を一匹足りとも
逃しはしなかった
「ここは一人で来るような場所じゃないぞ。…ま、人の事は言えんがな」

言葉一つ一つが
胸にぐさぐさと突き刺さる
助けがなかったのなら
今頃、屍の仲間入り

「こんなとこ、さっさと抜けるぞ」
「え?付いてきてくれるの?」
「お前が付いてくるんだよ」
「(ですよねー)」

襲い掛かる魔物(やつ)を蹴散らして
もうそろそろ出口に近付いてきた…けど
「…!御出座しだ」
「…なんか、強そうなんだけど…」
「本来の目的はこいつだ。やるぞ!」
「えっ?あ、うん!」
「(突然出てきたから記憶を書いてないんだけど…)」
目の前を遮るのは今までと違う巨体
並大抵の攻撃は跳ね返されるのが明白
ずっと後ろで甘んじて
一歩が踏み出せない
それは恐怖からではなく
攻め時が見つけられないから

「体勢が崩れた!今だ!」

その声に導かれて無意識に踏み込んで
突き出した剣は疾風のように急所を貫く
「やれば出来んじゃねぇか」
「まぁ、これぐらいは。(たまたまだけど)」
「魔物退治の報告に行くが、お前はどうする?」
「んー、とりあえず付いて行こうかな」

城下町とはまた違う活気に溢れた町で
後で武器やら薬も買い貯めておかなければ
着いたのは少し趣の違う大きな建物
ここでなら何か魔王に関する事が分かるかも
「…以上だ」
「ご苦労様。さて、君はどうしたのかな?」
「あ、魔王を倒す旅をしてるんですけど…」
「は?」
「あぁ、話は国王から聞いてるよ。魔王は大海原の真ん中にある小さな島にいる」

魔王の居る島に行くには
島を護る障壁を消す必要がある
それを消す為に各地にある四つの
封印を解かなければならない

「手伝ってやるよ」
「本当に!?」
「お前一人じゃ不安だからな」
「(何か腑に落ちないけどいいや)」

打ち合わせた甲高い金属音が
まるで祝福の鐘のように鳴り響く
やるべきことは分かった
あとは踏み出すだけ
「ここから割愛っ!」
国王に魔王退治の目処が付いたことを
伝え封印の場所の調査を依頼した
見つかり次第そこに向かい刃を交え
四天王だとかほざいている奴等を倒し続けた

そうこうしている間に空の民に任せた
島接近時の乱気流に耐えられる船の製作が終わった

いざ大海原…ではなくその上空を飛び
技術が結束した船は気流なんて関係ない!
魔王との戦いの前に準備をしに
一番近い町に降り立った
明日に備え宿に泊まって
早めに布団に潜った

「ん…、あれ?寝てたはずなんだけど…」
「私の声が聞こえますか?」
「え?」
「魔王を倒そうとしているようですが…」
「(こ、これは、前世の記憶とか、選ばれたものにしか聞こえない精霊の声とか!?
もしかしたら魔王の弱点とか攻撃方法とか教えてくれるかも!?)」
「何か忘れてない?」
「え?」
「あなた、国王との話を聞いてた?」
「え…」
「自分で怠そうに何て言ったの?」

「……どうやら、魔王を一度葬った剣が…」
「…葬った剣…」

「あっ!」
「…早よ取ってこい」
翌朝、相方にねちねち言われながら
調査によって見つかった剣を取ろうとしたら
それを護る龍にやられかけたけど
全ての準備は整った
立派な門構えを抜け
目指すは最深部
何が待ち受けているか分からない
慎重かつ大胆に進もう
石を押したり、機械を操作したり
守護兵器をぶっ壊したり
そしてたどり着いたのは
何もない広場

「あれは…!」
「四天王っ!?」
剣を持つ者、槍を持つ者
矢を放つ者、術を放つ者
剣・槍を退け、矢を避けて
一直線に魔術師の元へ
唱えられる前に斬り裂いて
回復持ちをまず消して
遠距離からチクチクと甚振ってくる
弓使いを返り討ちに
剣・槍使いはそれぞれ
一人ずつ相手をして

「奥義!氷牙刺凍刃!」

まさに氷が牙を剥くように
敵に噛み付かんとばかりに刺す

「雷光の一閃!紫雷放翔斬!」

雷を纏った刃を振り抜けば
敵を稲妻が貫いて散る

甦った魂は再び鎮められた
「はっはっはっ…」
「誰だ!?」
「私が世界を支配する魔王だ」
「魔王!?絶対に倒してやる…!」
「止めておけ。お前達に私は倒せない。
大人しく、私の粛清によって正される新世界を眺めているがいい」
「黙れ。…こいつをさっさとぶっ倒して帰るぞ」
「魔王!お前の好きにはやらせない!」
「来るか…。私の前で平伏すがいい!」
この世の未来(さき)を示す戦い
再度集中力を高める
この後の事を考える暇は無い
目の前の障壁を崩して駆けろ

詠唱する時間も無く
差し迫る闇の呪文
避けるのに精一杯で
一瞬の動きを見つめ
着実に近付く
抜いた剣は行方を占う
神託を受けし光

振り翳せ!今、自分を信じて
重ねた想い、貫く意志
世界は見放したりしない
纏え、絆を(ヴァールハイト)

降り下ろせ!今、全てを信じて
掲げた刃、斬り裂く悪
世界の望む形にしてみせる
輝きを失うまでは…

「止めっ!」「止めだ!」
「馬鹿な…っ!私が人間ごときに…!!」

「終わった…」
忘れていた雲の切れ目から射す陽光
暖かさなんて何時振りなんだろう

手に残る感触が
あの日の出来事(こと)を思い出させる
それぞれが進む道を
見据え目指した全ての終結(おわり)の後

大空に舞う光を追い掛けて
願う希望が叶いますようにと
見上げて祈る最後は瞼(め)を閉じて
未来永劫の彼方に

「…もう行くぞ」
「これからどうするの?」
「今までと変わらない。また魔物退治の頼まれごとをするだけだ。…お前こそどうすんだよ?」
「どうするのだろ…?まぁ、魔王を倒したことで、王様から一生遊んで暮らせるだけの物は貰ったけど」
「隠居か?」
「いや、これは皆がもっと幸せに暮らせるような世界を作る為に使う。
あの王様に任せるのは、ちょっと頼りない」
「…もう王になれよ。」
「あれって立候補制?」
「違う。だから最悪討て」
「いやいやいや、それは駄目だって… 」

大空に舞う光を追い掛けて
願う希望が叶いますようにと
見上げて祈る最後は瞼(め)を閉じて
未来永劫の彼方に―――

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公開日:
最終更新日:2015/11/15